歯科医師になれば掲げる事のできる診療科目
歯科医師国家試験に合格した歯科医が、開業する際に次の４つの科についてはその経験の有無にかかわらず標榜する事ができます。“歯科”、“小児歯科”、“矯正歯科”、“口腔外科”の4種類に関しては治療ができる？できないに問わずに標榜する事ができます。例えば一度も矯正治療をしたことがなくても矯正歯科と標榜できます。これを自由標榜制と言います。これは医療法で定められています。４つの科すべてを標記している診療所があったとしてもすべてに専門的な治療をおこなえると考えるのは難しい事です。因みに“インプラント科”、“審美歯科”は認められていません。
歯科とは
これは一般歯科の事です。虫歯の治療などをおこなう事が主です。専門性がない全般的な治療をおこなう。General dental officeと言った方がわかりやすいかもしれません。歯科治療の入り口になる診療所です。ここで手におえないと判断された場合は専門性の高い診療所へ依頼する事になります。
小児歯科とは
乳歯の虫歯や永久歯の萌出誘導が主になります。外傷なども含まれます。
矯正歯科とは
歯並びの治療を主におこないます。小児から成人まで歯並び、不正咬合の治療をおこないます。
口腔外科とは
親知らずの抜歯、外傷、お口の中の炎症や腫瘍などの外科処置をおこなう科です。
自由標榜制の問題点
多くの歯科医院の看板には“一般歯科、口腔外科、矯正歯科”など複数の標記がされているのをよく見ます。患者様にとっては何が専門なのか？判断できません。あるいは専門性がなくても上記４つの診療科はなんの問題もなく標榜できます。どこの歯科医院へ行けばよいか？歯科医院を選択する上で分かりにくくしていると思います。実際に行って見たら期待したような診療は受けられなかった。といった経験があるかもしれません。歯科では大部分が個人開業です。1人の歯科医がすべての診療に専門的な知識をもつのは不可能です。専門性を身に着けるには長い時間と経験が必要だからです。
特に専門性が必要とされる科
矯正歯科
矯正歯科は大学卒業後の教育（卒後教育）と言われます。実際の治療ができるようになるには大学病院、あるいは矯正歯科専門歯科医院での長期間にわたるトレーニングや治療経験が必要になります。矯正治療だけをおこなう期間が長ければ一般的な歯科治療ができなくなります。そのために矯正治療だけをおこなう歯科医が生まれます。矯正治療を考えるならば第一選択としては矯正治療だけをおこなう歯科医院をお勧めします。歯科医にも虫歯の治療をしない選択をした。それだけの覚悟があります。
口腔外科
お口の中の外傷や疾患、腫瘍、顎関節症などを扱う科です。一般的な虫歯の治療はおこないません。親知らずを抜歯したり、手術をする事を日常にしています。大学病院や大きな総合病院の歯科がこれになります。
最近では口腔外科を専門とする開業医が現れるようになりました。患者様にとっては利便性が増したと思います。
失敗しない歯医者（歯科医院）の選び方
歯科治療は“削った歯はもとにはもどらない。抜いた歯はもどってこない”と言われる通り、取り返しのつかない治療です。また自然に治る事もありません。そこで歯医者を選ぶ事が重要になります。ではどうやって見つけるのでしょうか？まずはその歯科医の経歴、業績などをじっくり見る事です。所属している学会の認定医、指導医、専門医を持っているか？臨床に関する論文、特に発表よりも論文が重要です。論文は掲載に際して査読者がいます。特に論文のレベルが高くなるにつれて査読は厳しくなります。発表は招待口演以外は誰でもできます。歯科医になってから開業するまで何をしていたか？どんなところで働いていたか？何年ぐらい？などといった事にもヒントが隠されています。歯科医院によっては粉飾している場合もあります。特に矯正歯科医は誰に教えてもらったか？も重要です。よく吟味して頂くと本物か？どうかが見えてきます。
アイ矯正歯科クリニックのドクターについて
院長、副院長ともに大学の矯正歯科で助教をしていた経験があります。特に副院長は26年勤務した後にアイ矯正に参加しました。リンガルブラケットは両者ともに35年以上の治療経験があります。多数の業績があります。
