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翼状捻転(相対捻転、前歯の捻じれ)とは?原因と治療例

翼状捻転とは

翼状捻転(よくじょうねんてん、winging)は上顎中切歯が左右対称的にねじれたようになっている不正咬合の一種です。

症名の通り、まるで翼の形のように歯が捻じれてしまうことからそのように呼ばれています。

不正咬合の中でも、あごの骨のサイズ、つまり歯が生えるスペースに対して大きい歯が生えてしまうことで歯並びが乱れる「叢生・乱杭歯」に含まれますが、この叢生は私たち日本人の約44%に見られるとされています。

 

▼参考:厚生労働省【e-ヘルスネット】 不正咬合の種類と実態

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部分矯正では治療が難しいケースも

この翼状捻転の特徴として、捻じれた前歯を回転させるだけでは治すのは難しい点が挙げられます。

詳しくは後述しますが、多くの場合、正しい向きに回転させるスペースがないことが翼状捻転のそもそもの原因となっているためです。

また、前歯を前方に傾斜させて場所を作り排列することが考えられますが、出っ歯になるリスクも考えられます。

ちなみに日本人の中切歯は前後の辺縁に厚みがあり、これがシャベルに似ている事からショベル型前歯と呼ばれています。

以上のように、局所の不正咬合でも全体的に歯を移動させる必要があります。部分矯正で治るという簡単なものではありません。

一部の歯を移動させるだけでは、排列する場所が足らないままだからです。

 

翼状捻転(相対捻転)の原因

どうしてできるか?というのは諸説あります。

先天的にねじれていた。あるいはその隣の側切歯が早くはえてきてしまい中切歯の萌出する場所がなくてねじれた状態になったとも考えられます。

いずれにせよ、乳歯から永久歯への交換に原因があります。

翼状捻転している歯は中切歯です。中切歯が萌出してくる前に側切歯が生えてきてしまった、そしてさらにその後方の犬歯が生えてきてしまった場合、萌出スペースの不足が起きます。

乳歯の交換順序は非常に重要です。将来、お子様の矯正治療をお考えなら乳歯がある状態で早めに矯正専門歯科医院に相談に行かれてください。

 

相対捻転について

翼状捻転の逆向きにねじれている状態を相対捻転と言います。この2つを合わせて対称捻転と言います。

これは白人に多い歯並びと言われています。歯列弓の形が白人は細長いのが影響していると思います。歯列弓を見ると三角に見えます。

翼状捻転とは逆向きにねじれています。歯列弓の形もU字型ではなくV字型です。

治療としては翼状捻転と同じく、前歯だけではない全体的な治療が必要になります。

 

翼状捻転の治療例

診断名翼状捻転を伴う前歯部叢生
治療法リンガルブラケットによる舌側矯正
年代20代
性別女性
治療期間28ヶ月
リスク抜歯を伴い歯の移動距離が大きいことによる動揺、及びう蝕、歯周病
費用費用:約135万円(税込)

治療前

さらに悪化した状態の症例です。側切歯が反対咬合になっています。上下顎骨の前後的な位置関係、前歯の傾斜角度、横顔やe-ラインなどを考慮して上下小臼歯を抜歯してリンガルブラケットを用いて治療する事にしました。何よりも前歯を排列させるスペースがありません。

 

治療後

約2年が経過した状態です。翼状捻転、側切歯の反対咬合は改善しました。口もともさがり横顔が改善しました。

抜歯、非抜歯は精密検査の結果、患者様のご希望をお聞きして判断させて頂いています。

 

その他の中切歯(前歯)に見られる不正咬合

中切歯(一番前の前歯)に限局した不正咬合として翼状捻転(相対捻転)のほかに、正中離開があります。

こちらは翼状捻転とは反対に前歯の間に隙間が空いてしまう不正咬合で、別の記事にて詳しく解説しておりますのでご覧ください。

正中離開とは?原因や形態別の症例・治療法について

 

中切歯は上顎の正中にある歯で、意外に思われるかもしれませんが、う蝕の罹患率は高いです。

前歯にレジンで詰め物がされている、あるいは差し歯になっている事が多いのはこのせいです。

最近は矯正歯科のトレーニングを受けていない歯科医が部分矯正やマウスピース矯正で安価に中切歯の治療を試みますが、前述した通り局所の移動のみで解消できるものではありません。

根底にはコンビニより多い歯科医院の歯科不況がありますが、なりふり構わないやり方には賛同はできません。患者様にご迷惑がかかりますし、トラブルになります。

これにはご注意ください。矯正専門歯科医院でのご相談をおすすめします。

 

裏側矯正(舌側矯正)に関してのより詳しい解説はこちら

 

その他の翼状捻転の矯正治療例

治療例No.62 典型的な翼状捻転(よくじょうねんてん)

治療例No.131 翼状捻転(よくじょうねんてん)の矯正治療

治療例No.124 前歯がねじれ 翼状捻転 前歯部叢生

 

【翼状捻転の治療について】

治療内容 : リンガルブラケットを用いた舌側矯正

治療費総額:135万円~155万円(税込)

※上記は標準的な費用です。保険適用外の自由診療となります。

治療期間 : 12か月~36ヶ月(症状や抜歯の有無によって異なる)

 

【リスク、副作用について】

・歯根吸収(歯根が吸収され短くなる)や歯肉退出(歯肉が下がる)が起こることがあります。

・ブラケットの周りにプラークが付着することにより、虫歯になりやすくなる場合があります。

・矯正治療中は歯の移動に伴い、動揺が起こる場合があります。一般的に移動が終了し2週間程度で解消いたします。

・矯正器具の装着に伴い、違和感や痛みを感じる場合があります。当院ではワックスやガードによる保護を行っています。

 

福井 只美
 

このブログの執筆者
福井 只美医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医)

リンガルブラケットについては長年の経験があり、
自身で開発したダブルワイヤーテクニックを用いた治療を得意としております。                
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